ストーリー

あなたが使っているエネルギーは、どこでつくられたものですか?

たとえば、食べ物。
どうせ食べるなら、地元でとれた、つくり手の顏が見える食べ物がいい。
安心できるし、安全だし、美味しいから。
そんな気持ちから、食べ物の地産地消は広まっていきました。
そして食の循環は、地域社会を少し豊かにしてくれるようになりました。

エネルギーもそんなふうに選べたら、楽しいと思いませんか?

どうせ使うなら、地元でつくった、つくり手の顏が見えるエネルギーがいい。
地域をつなげ、まちを元気にして、心をあたためるエネルギーを選びたい。
それが未来の豊かさにつながるのであれば、こんなにいいことはありません。

そんな夢のようなエネルギー、どこにあるのでしょう?
答えは「山のなか」にあります。

かつて日本の暮らしは、山のエネルギーに支えられていました。
薪や炭が、暮らしのエネルギー源でした。
今の暮らしを、昔のスタイルに戻すことは難しい。
けれど、木材をチップやペレットにして燃料とする木質バイオマスなら、
昔のように山のエネルギーを使いつつ、今の暮らしを続けることができます。

全てのエネルギーを変える必要はありません。
ほんの少し取り入れるだけで、きっと社会は変わっていきます。
今の時代にあった方法で、できることをやればいいんです。
まずは、地域みんなで使うエネルギーから始めます。
地域に山のエネルギーを循環させることで、山と地域がつながり、
顏の見える関係が生まれ、そこから新たなまちづくりが始まります。

プロジェクトの舞台となる福井県あわら市・坂井市三国町は、
山あいから平野、そして海へと流れる竹田川でつながった地域です。
山から海へとそそぐ清らかな流れが豊かな土壌を育み、
町の向こうには、美しい田園風景が広がっています。

山や森、川や海などの自然に抱かれた、
人々の営みがしっかりと根付いた日本の地方都市。
あわら・三国にかぎらず、このようなまちは全国各地にあるでしょう。
この地域で山のエネルギーを循環させる仕組みをつくりあげ、
日本全国が真似しやすいモデル事業を目指します。

かつては北前船交易の歴史で、
いまは観光や農業などでもつながっている“あわら・三国”エリア。
この場所から、山をエネルギーを軸とした新しい「つながり」づくりに挑戦します。